石川県の家事負担は妻が夫の7倍!?議会質問と現場から考える「家事シェア」の現在地


こんにちは。金沢市議会議員の宇夛裕基です。今回は、私たちの生活に極めて身近でありながら、金沢市、ひいては石川県全体の未来を左右する「家庭内の家事・育児分担」についてお話ししたいと思います。
皆様は、現在の石川県における共働き世帯の家事・育児時間の割合をご存知でしょうか? 国の「社会生活基本調査」のデータによると、石川県では妻の負担時間が夫の約7倍にも上り、女性に圧倒的な負担が偏っているという厳しい現実があります。
この「男は仕事、女は家庭」といった固定的な性別役割分担意識や、無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)が根強く残る現状は、女性の社会進出を妨げるだけでなく、若い女性の県外流出や、少子化をさらに加速させる大きな要因にもなっています。
目次
第1章:2026年6月議会での問題提起と、パパたちのリアルな声
この現状を変えなければならないという強い危機感から、私は先日の6月定例月議会において、「男性の家事参画推進」について質問の機会をいただきました。
議会では、若い父親たちから直接伺った「家事や育児にもっと関わりたいが、ノウハウがない」「『まだまだ男は仕事優先』という職場の空気があり、踏み出せない」というリアルな戸惑いの声を代弁させていただきました。 これに対し、金沢市からは「男性向けの家事実践講座などを通じて意識改革を促し、固定的な性別役割意識の解消につなげたい」という前向きな答弁を引き出すことができました。
第2章:有言実行。市主催の「パパ料理教室」へ参加して
議会での議論を「言葉だけ」で終わらせてはいけない。そう考えた私は、実際に金沢市が企画してくださった「子育てパパのための料理教室」に、一人の父親として参加してまいりました。
普段から家族のためにキッチンには立つ方なのですが、プロの講師の方から新しいテクニックや手際の良い技を直接教わることができ、私自身、非常に有意義なスキルアップの時間となりました。 また、同じように家事や育児に真剣に向き合おうとしている他のパパさんたちと、エプロン姿で和気あいあいと交流できたことは、何よりの刺激になりました。
このような素晴らしい学びの場を企画し、運営してくださった金沢市の職員の皆様、そして温かく迎えてくださった講師や参加者の皆様には、この場を借りて心より感謝申し上げます。

第3章:現場で感じた「波及効果」という金沢市の課題
先日参加した金沢市の「パパ向け料理教室」は、参加者一人ひとりに目が行き届く、本当に素晴らしい内容でした。 しかし、一歩引いて「市の事業としての効果」という視点で見たとき、大きな疑問と課題を感じたのも事実です。
今回の料理教室の定員は「12名」でした。 45万人都市である金沢市において、この素晴らしい体験を届けられたのはごくわずかなご家庭にとどまります。限られた市の予算と人的リソースを割いて開催する事業として、果たしてこれで金沢市全体の「妻が夫の7倍」という家事負担の現状を劇的に変える波及効果があるのでしょうか。
率直に申し上げて、家事分担や男女共同参画の分野において、石川県は全国的に見て「後進国(後進県)」と言わざるを得ません。ただでさえ遅れをとっている状況下で、少人数のアナログなイベントを単発で行うだけでは、現状を急反転させるには非効率ではないかと感じています。
第4章:全国の先進自治体はここまで進んでいる
現状を打破するためには、全国の先進的な取り組みから素直に学ぶ必要があります。
例えば、兵庫県豊岡市では「ジェンダーギャップ解消戦略」を市の最重要課題として掲げ、地元企業に対して働き方改革や男女共同参画を通じた組織風土の変革を直接促しています。これは「職場の空気が壁になる」というパパたちの悩みを根本から解決するアプローチです。
また、栃木県では家事の総量を減らす「とも家事」というコンセプトを推奨し、食洗機やロボット掃除機などの時短家電、ミールキット、家事代行サービスの活用を県を挙げて後押ししています。
さらに、群馬県や広島市などでは、小中学生向けの啓発冊子の配布や、メディアを使った大規模なプロモーションを行い、全世代に向けて無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)をなくす取り組みをダイナミックに展開しています。
まとめ:金沢市が目指すべき次世代のアプローチと提言
金沢市が、若い世代から選ばれ続ける「働きやすく、暮らしやすい街」に変わっていくためには、少人数の丁寧なイベントの良さを活かしつつも、より広範で発信力のある施策へ思い切ってシフトしていくべきだと考えます。
私からの具体的な提言としては以下の通りです。
- インフルエンサーの活用: 育児や家事を専門に発信している著名なインフルエンサーを招いた、数千人規模に波及するオンライン・オフライン融合の啓発イベントの開催。
- SNSを活用した巻き込み型企画: 広く市民が参加できる「我が家の家事シェア・インスタコンクール」などの開催を通じた、現代的な機運の醸成。
- 企業風土への直接アプローチ: 豊岡市のように、地元企業と連携し「男性の育休取得」や「ノー残業」など、パパが家事に参加しやすい職場環境づくりへの強力な支援。
今回、議会で質問をし、実際に現場(料理教室)へ足を運んだことで、課題の輪郭がよりはっきりと見えました。 これからも、現場主義を貫きながら、金沢市が真の男女共同参画社会を実現できるよう、議会の場を通じて具体的かつ実効性の高い提言を続けてまいります。
皆様のご家庭での「家事シェア」の工夫や、市へのご要望などがありましたら、ぜひお気軽にお声を聞かせてください。

