マラソンから広がる健康都市・金沢の可能性 〜国際的な知見を活かした新たな挑戦〜
こんにちは。金沢市議会議員の宇夛裕基です。
これまで、金沢マラソンを通じた地域づくりについてお話ししてきました。最終回となる今回は、その経験を踏まえ、健康都市・金沢の未来について考えていきたいと思います。
▶ 第1回「市民ランナー×地方議員が挑む地域の健康づくり 〜私の挑戦〜」はこちら
▶ 第2回「ランニングが繋ぐ地域の絆 〜安全な練習環境づくりへ〜」はこちら
マラソンがつなぐ市民の健康
12月議会での質問により、金沢マラソン2024には3,995人もの市民が参加していたことが明らかになりました。これは単なる数字ではありません。約4,000人もの市民が、健康づくりに関心を持ち、具体的な行動を起こしているということです。
この数字は、私たちの市が持つ大きな可能性を示しています。練習を通じた日常的な運動習慣、仲間との交流、そして目標に向かって努力する姿勢—。これらは、まさに健康なまちづくりの基礎となるものです。
国際的な視点から見た可能性
今年、金沢市は健康都市連合という国際的な健康ネットワークに加盟しました。しかし、単なる加盟に意味があるわけではありません。重要なのは、そこで得た知見を具体的にどう活かすかです。
12月議会で、山田副市長に国際大会での学びについて質問させていただきました。その答弁から、世界の先進事例が明らかになりました。
健康都市連合国際大会での発見(副市長答弁より)
■ソウル市の先進的な取り組み
・「リストドクター9988」の活用
- 百万人を超える市民がスマートウォッチを着用
- 歩数計測やメタボリックシンドロームのチェック
- ストレス、アルコールチェックなども実施
- 健康相談等を通じた支援体制
■都市環境の工夫
・緑の空間の戦略的な配置 - 市内の至るところに設置
- 市民が気軽に集える環境づくり
- コミュニティ形成の促進・利用しやすい公共交通網の整備
- 低料金で便利な移動手段
- 高齢者が出かけやすい環境
- 健康づくりとの連携
この質問を通じて、健康都市として発展するためには、デジタル技術の活用はもちろんのこと、コミュニティと社会参加が重要であることが明確になりました。
金沢市ならではの強み
さらに12月議会での山田副市長の答弁から、金沢市が考える本市の独自性が明確になってきました。
金沢市の独自性
1. 長年の市民活動の実績
- 昭和48年から続く金沢健康を守る市民の会
- 各地域の運動普及推進員の存在
- 健康推進委員との連携体制
2. デジタル技術の活用
- 金沢健康ポイントアプリの可能性
- マラソン参加との連携可能性
- データに基づく健康管理
3. 豊かな自然環境
- 犀川などのランニングコース
- 四季折々の景観
- 歴史的な街並みとの調和
マラソンを起点とした新たな提案
市の現状と国際的な知見を踏まえ、今後は以下の政策を提言していきたいと考えています。
うだひろきの政策提案
1. デジタルとコミュニティの融合
- 金沢健康ポイントアプリの機能拡充
- ランニングコミュニティとの連携
- 健康データの活用と予防医療への展開
2. 環境整備との連携
- 公園・緑地の戦略的活用
- 安全な練習環境の整備
- 地域の交流拠点づくり
3. 市民参加型の健康づくり
- マラソン練習会の定期開催
- 地域健康イベントの充実
- スポーツファーマシストとの連携強化
まとめ:市民スポーツが創る健康都市
12月議会での質疑を通じて、金沢市の持つ可能性と課題が明確になりました。金沢マラソンは、単なるスポーツイベントではありません。約4,000人の市民ランナーの存在は、私たちの市が持つ大きな可能性を示しています。国際的な知見を取り入れながら、金沢市独自の強みを活かし、市民一人一人が主役となる健康都市づくりを進めていきたいと考えています。
これからも、政策提言を続けていきます。皆様からのご意見、ご提案をお待ちしております。
【シリーズ記事一覧】
▶ 第1回:市民ランナー×地方議員が挑む地域の健康づくり
▶ 第2回:ランニングが繋ぐ健康の絆 〜安全な練習環境づくりへ〜
▶ 第3回:健康都市金沢の未来(本記事)