ランニングが繋ぐ健康の絆 〜安全な練習環境づくりへ〜
こんにちは。金沢市議会議員の宇夛裕基です。前回は、薬剤師から議員になり、金沢マラソンに挑戦するまでの経緯をお話ししました。
▶ 第1回「市民ランナー×地方議員が挑む地域の健康づくり 」はこちら
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第2回となる今回は、実際のランニング練習を通じて見えてきた地域の課題と、その解決に向けた取り組みについてお伝えしたいと思います。
市民ランナーとしての気づき
練習を始めてまず感じたのは、私たち市民ランナーがいかに多いかということです。12月議会での質問により、金沢マラソン2024では実に3,995人もの金沢市民が参加していたことが明らかになりました。これは単なる数字ではありません。それだけ多くの市民が、日々の練習に励んでいるということです。また、この方々の健康増進は、市の健康施策としても大きなインパクトがあります。さらには、ランニングが生涯スポーツであることを考えれば、福祉施策としても有用です。
犀川沿いでの練習体験
私が主に練習に使用していた犀川沿いのコースでは、毎回多くのランナーとすれ違いました。四季折々の自然を感じられる素晴らしいロケーションですが、いくつかの課題も見えてきました。
練習コースの現状
- 道幅が狭く、すれ違い時に危険を感じる
- 段差や路面の凹凸が目立つ箇所がある
- 夜間は街灯が少なく視認性が悪い
- 途中でコースが途切れる箇所がある
- 給水設備や休憩施設が少ない
安全への懸念
特に深刻なのは、早朝や夜間の練習時の安全性です。私も主に夜間に練習していましたが、白いユニフォームを着て、反射板を身につけながら走る中で、街灯の少なさや道路状況の悪さを痛感しました。
実際に2017年には県内でランニング中の死傷事故も発生しており、これは決して他人事ではありません。ランナーの安全を守るための環境整備は、急務となっています。
12月議会での質問と金沢市からの答弁
この課題を12月議会で取り上げ、以下のような回答がありました:
12月議会での市からの回答
■練習コースについて
- 専用コースの新設は現時点では考えていない
- ランニングコースマップは、2015年の第1回大会時に作成したものを今後活用を検討
- ランニングアプリは、コロナ禍でのオンラインマラソン用に導入したものを継続活用
- 利用の多い犀川河川敷などでは、安全意識の啓発とマナー向上を呼びかけ
■安全対策について
- 安全安心なまちづくりの一環として、歩道整備や車道の拡幅を計画的に進める
- 警察との連携による交通安全対策の推進
- 夜間の視認性確保のため、反射材使用の啓発
■施設・設備について
- 金沢城北市民運動公園や西川緑地など既存の公園施設の活用
- クーリングシェルターの設置による熱中症対策
- 水飲み場や公衆トイレなどの既存施設の周知
■健康増進施策について
- 金沢健康ポイントアプリでの歩数計測の活用
- マラソン参加へのポイント加算を検討中
- ファンランの継続実施
まとめ:より安全な練習環境の実現に向けて
金沢マラソン2024には3,995人もの市民ランナーが参加しました。これだけ多くの市民ランナーがいる現状を考えると、より積極的な練習環境の整備が必要ではないでしょうか。
特に、多くのランナーが利用する犀川河川敷等については、安全面での課題が明確になっている以上、段階的な整備を検討する必要があると考えています。マナー啓発だけでなく、ハード面での整備も含めた総合的な対策が求められているのではないでしょうか。
次回予告
第3回(最終回)は「健康都市金沢の未来」と題して、スポーツを通じた健康なまちづくりの具体的なビジョンをお話しします。金沢マラソンを一つの起点として、どのように地域の健康づくりを発展させていけるのか、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。
【シリーズ記事一覧】
▶ 第1回:市民ランナー×地方議員が挑む地域の健康づくり
▶ 第2回:ランニングが繋ぐ健康の絆 〜安全な練習環境づくりへ〜(本記事)
▶ 第3回:健康都市金沢の未来(近日公開)