【視察報告】最前線の防災を学ぶ!気象庁視察レポート—「伝える」ことへの強い使命感


こんにちは。金沢市議会議員の宇夛裕基です。

先日、金沢市議会地域防災特別委員会のメンバーとして、気象庁の業務視察を行いました。私たちの地域防災計画の策定・強化に直結する、大変重要な学びの機会となりました。

1. 重要な気づき:「観測」から「避難行動の促進」へ

今回の視察で最も感銘を受けたのは、気象庁職員の皆様が繰り返し述べられていた「観測が目的ではなく、国民にいかに伝え、避難行動を促すか」という強い目的意識です。

ともすれば「正確な観測データ」を出すことに終始しがちな中で、地震や噴火といった有事の際に「いかに命を守る行動につなげるか」に主眼を置く姿勢は、私たち自治体議員にとっても、地域防災の根幹として常に立ち返るべき視点だと強く感じました。

2. 「人と技術」が融合する最前線

気象防災オペレーションルームなど、各部門を見学させていただきました。

最新のスーパーコンピュータや観測機器による自動解析が進んでいる一方で、最終的な予報や警報の発表前には、高度な専門技術を持つ職員が必ず最終確認を行っていました。24時間体制の交代制で、高い専門性と同時に極度の集中力が求められる職務です。特に有事の少ない火山監視班などでは、集中力を持続させるプロフェッショナリズムに頭が下がる思いでした。最後は人による「経験」と「最終的な責任」が、国民の命を守っていると感じました。

3. 市民に情報が届くまでのプロセス

気象庁の情報が市民に届くまでのプロセスについて質問しました。

  • 気象庁のデータは基本的にオープンデータとして提供されています。

  • 多くの場合、民間の情報提供業者が解析を行い、ニュースサイトや報道機関に提供されます。

  • 報道機関も、天気予報に「洗濯物指数」や「花粉情報」といった付加情報を独自に追加することで、市民の生活に寄り添った情報へと形を変えています。

  • 災害情報は、気象庁や地方気象台の観測データをもとに、都道府県から市町村へと連携される仕組みです。

金沢市は、この一連のプロセスの最終ランナーとして、市民が最も理解し、行動しやすい形で情報を発信する責任があります。

4. マスコット「はれるん」「ぼるけん」の可能性

気象庁のマスコットキャラクター「はれるん」「ぼるけん」が大変可愛らしく、その親しみやすさは、防災情報を啓発する上で大きな武器になる可能性があると感じました。現在の知名度は低いものの、売り出し方を工夫すれば、硬くなりがちな防災情報に柔らかさを持たせ、幅広い世代への周知に繋げられるはずです。

 

5. 今後の金沢市政への提言

今回の視察で得た教訓を活かし、金沢市において以下の点を推進すべきと考えます

  1. 「伝える意識」の徹底:気象庁の「避難行動を促す」という高い意識を共有し、市の防災広報において市民の行動を最優先する情報発信をさらに徹底

  2. 情報伝達の強化:短時間強雨の増加予測を踏まえたインフラ強化と並行し、警戒レベルと連動した情報伝達が市民に確実に届き、避難行動につながるよう、広報手段の多様化と啓発を強化

  3. 親しみやすい広報戦略の検討:はれるんのような親しみやすいキャラクターの活用も含め、市民が日常的に防災情報を意識できるような新しい広報戦略を検討・導入