金沢市弥生地区 泉が丘交差点 通学路見守り隊の効果③

こんにちは、うだ ひろきです。
前回までの記事では、通学路見守り隊の現状、有用性についてお話をしました。
【前々回記事】金沢市弥生地区 泉が丘交差点 通学路見守り隊の効果①
【前回記事】金沢市弥生地区 泉が丘交差点 通学路見守り隊の効果②

今回は有用性の続きです。




見守り隊は効果があるのか②

天候別にデータを分析しました。その結果、
天候が悪くなるほど、見守り隊は安全確保に効果的であることが分かりました。
下の結果をご覧ください。



特に雨の日は、赤信号で停止線を通過した車が減少していることが分かります。
雨の日の運転は、視界が悪いだけではなく、路面が滑りやすくなっており、
ブレーキを躊躇して通過するドライバーもいます。
見守り隊が横断旗を振るなど、早めの注意喚起をすることが重要なのです。

さらに、児童も傘をさして歩くために、視覚や聴覚から得られる情報が減ります。
・傘で周囲が見えにくい
・雨音で周囲の音が聞こえにくい
・水たまりや傘で通れるスペースが狭くなる
横断歩道を渡る児童を制止するのも、見守り隊の役目です。

このように見守り隊は、車にも児童にも注意を払い、安全を守っています。

働き世代の担い手確保

金沢市内では、各地域やPTA・育友会などで大きく2つの方法がとられています。

①当番制
当番を決めて見守りに立つ。
メリット:確実に人員確保が可能
デメリット:働き世代に負担が大きく、やらされていると感じやすい

②任意制
問題意識を持つ人が、自主的に参加する。
メリット:モチベーションが高い
デメリット:人員確保が難しい

どちらも一長一短ですね。
参加したいと思う方が無理なく、継続できる仕組みを考えていく必要があります。

担い手不足に対する対策 

担い手不足の原因は1つではありません。あらゆる要素が複合的に重なり合っています。まずは、現状を調べること、知ること、共有することが重要です。その場作りは行政や地域の役割です。多くの方が問題点を共有してはじめて、対策を考えていけるのです。その後、ソフト面・ハード面からの対策を講じていきます。

「危険箇所の実態把握」

まずは児童にとって危険な箇所を正しく把握し、対策を考える必要があります。ドライバー目線、大人目線では意外と見落としてしまうものです。例えば、大人の腰くらいの高さの茂みやブロック塀の陰から、小学生が飛び出してきた事例があります。見守り隊、児童、保護者などの話を総合しながら、実態を把握することが重要です。

「ソフト・ハード両面からの対策」

危険箇所の把握ができれば、次に対策を考える必要があります。学校が実施する対策としては、児童への安全教育の徹底やボランティアなどによる見守り活動の推奨、通学路の変更などが挙げられます。道路を管理している国・県・市が実施する対策としては歩道の設置・塗装、ガードレール、カーブミラーなどの整備、警察が実施する対策としては信号機の設置やタイミング調整、速度規制の実施などがあります。金沢市では、これらの主体が集まり、毎年合同点検を実施しています。

「ながら見守り」

見守りボランティアの担い手不足に対して、児童・生徒の登下校時間帯に合わせてのウォーキングや犬の散歩、買い物、お店の前の掃除などを行いながら子どもたちを見守るのが「ながら見守り」です。決められた人や団体だけが見守りをするのではなく、市民全体が外出などをした際に、登下校中の子どもを気にかけ、見守る活動になります。多くの目で、子どもを見守ることによる犯罪の抑止にも効果的です。

最後に

3回に渡って連載してきた記事では、毎日の見守り隊の経験やデータから、見守り隊の効果について論じてきました。見守り隊は、間違いなく子供たちの安全を守っています。担い手不足という問題に対して、できることはあります。私たちができることは何かを今後も一緒に考えていきましょう。